V.A. / Live At Extemp

Hi-Fi-Record2008-01-12

 Extempore Coffeehouseは、1965年に開店したミネソタ州ミネアポリスのコーヒー・ハウス。
 1975年4月から5月にかけて行われたライヴの模様を収録したアルバムがこれ。


 街のフォーク、シンガー・ソングライター・シーンの中心的な存在だったのだろう。
 毎日のようにしてライヴが行われ、思い思いに歌が歌われ、そして励まされて磨かれ、時には失意を抱いた場所。
 デビュー前のマーク・ヘンリーとメアリー・マクレガー、そして一時期ミネソタで暮らしていたマイケル・ジョンソンの3人によるトリオもこの店に出演している。



 ビジネスの中心地、ミネアポリスと、行政の中心地、セント・ポールは、ミシシッピー川を隔てて、まるで双子のようにして広がっている。地元の人たちは、この二つの街をツイン・シティと呼び慣わす。
 ミネソタ州のほぼ真ん中に位置しているツイン・シティ。ほかには都市と呼べるほどの規模を持つ街は、ないと言っていいほどの広大さ。人々のエネルギーがぎゅっと集まっている気がする。



 ミネソタのフォーク、シンガーソングライターに、どうしてこれほどの魅力があるのか、とにかく逸材の宝庫だ。
 厳しい寒さをやり過ごし、やっと春の兆しを感じるミネソタの4月と5月。まだまだ寒い季節に、人々は、例えばこういう場所に集って、歌を聴き、お茶や酒を飲みかわしながら集い合うのだろう。



 明るい店内がほの見えるジャケットも、流れてくる普段着の音楽も、とても素晴らしいレコードだ。(大江田信)


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