Campus Singers キャンパス・シンガーズ / Road Of Blue
キャンパス・シンガーズというグループ名。フォークの時代ならではだなと思う。
大学のキャンパスと、ジーンズと、ボタンダウン・シャツとギター。まるで連想ゲームのようだけれども、ジャケットに映る彼ら二人も、こうして思い出すキーワードそのままの格好だ。
今になって振り向いてみると、アマチュアライクな人たちのポピュラー音楽が大量にレコードに刻み込まれるようになるのは、東海岸を中心にしたフォーク、そして西海岸を中心にしたガレージのトレンドからかもしれない。
キーポイントは自前の音楽。
キャンパス・シンガーズの二人の音楽にも、フォークという大枠に収まりつつも「自前」感が一杯である。それにしても巧い。玄人筋に受けそうなモダン・フォーク。
この次期のフォークでおもしろいのは、ベーシストが加わると俄然、音楽がジャズっぽくなることだ。
プロの腕前のベーシストの力を借りるとなると、ジャズ系の人たちしか見当たらなかったからかもしれない。
ラス・サヴァカス、ビル・リー、ディック・キニスといったベーシストの名前を思い出す。ちなみにビル・リーは、スパイク・リーのお父さん。グリニッジ・ヴィレッジ界隈のアーチストの多数のアルバムに参加している。
キャンパス・シンガーズの場合も同様だ。ベースの参加がある曲と、参加の無い曲とで、随分と音楽のノリが違うように感じる。(大江田信)