Paul Mauriat ポール・モーリア / El Condor Pasa
季節外れに巨大化し
猛威を振るう低気圧のことを
いつごろからか「爆弾低気圧」と呼ぶ。
「爆弾」には「突然大きくなって爆発する」という意味合いが
こめられている。
この「爆弾」に
いつかイチャモンがつくのではないかと
鈍い予感を感じている。
もし「爆弾」がダメなら、
ほかの不穏な意味合いの単語もダメとなって、
どういう風に言ったらいいか困る。
要は「季節外れの台風」の部類なのである。
勝手に提案させてもらえば
「意外な低気圧」という称号はどうだろう?
「意外な」では、ほのぼのとしてしまうという意見もあるが、
そういう意見は「意外」を甘く見ていると思う。
「意外」の尊さを重んじ、
もっと「意外」におどろく神経を磨こう。
「意外」は出来事の大きさではなく
反応の大きさの方に宿っている。
まずは、このポール・モーリアのアルバムから。
ブラジルの鬼才作曲家アルデマロ・ロメロのカヴァー
「Tonta Gafa Y Boba」に
意外の真髄が眠っている。(松永良平)