Peter, Paul And Mary ピーター、ポール・アンド・マリー / Album

Hi-Fi-Record2008-02-09

 このぼくに「『外国にたくさん行き過ぎてしまった』的な、ちょっぴり面白いところがある」人物であるとの評が向けられた。
 えっ、なに? それってどういうこと?


 しつこく聞き出してみると、「Peter, Paul & Mary」のことを、無意識に「ピーター、ポール&メアリー」と発音しているのだという、ぼくは。それって要するに、帰国子女的発音ってこと?



 英語の発音なんて、カラキシ駄目。冗談じゃない。恥ずかしい。
 今度からは、気をつけて「ピーター、ポール&マリー」と日本語的に発音しよう。そうか、そういえば松永君は日本に帰ると意図的に、日本語的な発音でアーチスト名を発音している。どうして?
 松永クン曰く、「だって、郷に入っては郷に従えと言うじゃないですか!」。



 記念の601回目のブログは、ピーター、ポール&マリーの話を書こう。


 「Peter, Paul And Mary / Album」の冒頭には、ローラ・ニーロの「And When I Die」が収録されている。ローラ・ニーロの才能をいち早く見いだし、デビュー・アルバムのプロデューサーを努めたミルトン・オークンが、P,P&Mのアルバム制作に際して、収録を提案したという。ミルトン・オークンは、P,P&Mの音楽監督。たしか当初は音楽教師をしていたはずで、50年代の末にフォーク・シンガーとして自身のアルバムを発表した後には、P,P&Mを初め数多くのフォーク・グループのアレンジを手がけた。


 「When I Die」という設定は、ニュー・ロスト・シティ・ランブラーズがカバーしたカーター・ファミリー作品でも聴き馴染みがある発想。ただしこちらは「When I'm Gone」だが、いずれにしても白人系の宗教歌に見かけるテーマのように思う。
 そこに「There Be One Child Born」として「新たなる命が繋がれる」という希望的な視線を盛り込んだところが、ローラ・ニーロの新しさだ。



 P,P&Mはローラ・ニーロの作品を、いち早く採り上げた。もしかすると最初のアーチストかもしれない。
 若い世代の作品を採り上げる事に熱心だった彼らの面目躍如のストーリーだと思う。(大江田信)


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