Maggie And Terre Roche / Seductive Reasoning
「ねえお姉ちゃん、
こないださあ」
そんな声が聞こえてきそうなジャケット。
のちのローチェス。
マギーとテリーのローチェ姉妹の
デビュー・アルバムである。
ローチェスとしての再デビュー作が
ロバート・フリップのプロデュースということもあり
少なからず話題を呼んだので、
このアルバムもそのときに再発されているが、
ジャケは変更されてしまった。
このオリジナル・ジャケに漂う
さりげなさすぎるさりげなさを
異色と思わせる感覚、
説明不足だし、
すぐにはわからないかもしれないが、
愛おしいなと思う。
それがこの姉妹のつくる音楽の空気にも
ぴったりなのだ。
男兄弟で育ったぼくは
“姉妹”という感覚を味わいたくなるとき、
ときどきローチェスを聴く。(松永良平)