The Surf Symphony Conducted by Jan Rubini / Song Of Summer

Hi-Fi-Record2008-02-23

 レコードを買い始めた頃。
 何処のお店でも敷居が高いと感じた。なにしろこちらは、高校生。
 試聴ができない店もあったし。


 で、密かに決めたこと。
 コーラスのレコードを買う時は、「虹の彼方に」が入っているものにする。
 そうして出会った人知れず素晴らしいレコードもある。



 オーケストラものを買うんだったら、その伝で「夏の日の恋」を手がかりとすれば、よかったかもしれない。
 パーシー・フェイスの大ヒット・ヴァージョンがあることは、どのアレンジャーも知っている。
 意識せざるを得ない。
 パーシー・フェイス版に近づくか、かわすか。



 サーフ・シンフォニーのそれは、ふと聞くとパーシー・フェイス版にとても近く聞こえる。
 近いけれども、決定的に違うこと。それはリズム・セクションのノリ。グンとロックっぽいのだ。
 


 表面的にはとても似ているようで、一皮むくとまるで別物のよう。
 パーシー・フェイス版が好きであればあるほど、この違いがよくわかるし、そしてうれしい気持ちになる。
 大海原に向かって指揮棒を振るコンダクターを配したジャケの醸し出す「独り」な雰囲気が、この響きにまたよく似合うのだ。
 唯一無比の「夏の日の恋」だろう。(大江田)