The Surf Symphony Conducted by Jan Rubini / Song Of Summer
レコードを買い始めた頃。
何処のお店でも敷居が高いと感じた。なにしろこちらは、高校生。
試聴ができない店もあったし。
で、密かに決めたこと。
コーラスのレコードを買う時は、「虹の彼方に」が入っているものにする。
そうして出会った人知れず素晴らしいレコードもある。
オーケストラものを買うんだったら、その伝で「夏の日の恋」を手がかりとすれば、よかったかもしれない。
パーシー・フェイスの大ヒット・ヴァージョンがあることは、どのアレンジャーも知っている。
意識せざるを得ない。
パーシー・フェイス版に近づくか、かわすか。
サーフ・シンフォニーのそれは、ふと聞くとパーシー・フェイス版にとても近く聞こえる。
近いけれども、決定的に違うこと。それはリズム・セクションのノリ。グンとロックっぽいのだ。
表面的にはとても似ているようで、一皮むくとまるで別物のよう。
パーシー・フェイス版が好きであればあるほど、この違いがよくわかるし、そしてうれしい気持ちになる。
大海原に向かって指揮棒を振るコンダクターを配したジャケの醸し出す「独り」な雰囲気が、この響きにまたよく似合うのだ。
唯一無比の「夏の日の恋」だろう。(大江田)