Peter, Paul & Mary / Late Again

Hi-Fi-Record2008-03-11

ソフトロックと言ってしまうには抵抗があるけれど、
シンガーソングライター時代の気配と
60年代後半の洗練されたMORが
じわりと彩りを与えている。


ピーター、ポール&マリーの「Late Again」は、
そんな意外な驚きを感じさせてくれるアルバムだ。


これは名盤と言ってもいいんじゃないですか?


そう大江田さんに言ったら、
その答えは意味深なものだった。


確かにそう言ってもいい
レベルの高い内容なんだけど、
ファンにとっては複雑なんだ。
69年という時期、
彼らはすでに解散を意識していて、
あまり共同作業をしていない。
別々に吹き込んだような曲が多くてね。


評価はしているのだけど
心情的に歓迎出来ないというか、
そんなほろ苦い感じで
大江田さんはこのアルバムのことを表現した。


失礼ながら、
PP&Mなんて古くさいフォーク・トリオだと
頭ごなしに決めてかかっているロックファンは
未だに決して少なくない。


真面目すぎるほど真面目で
グループ内の人間関係が作品なんかに
あらわれるはずもない。
だってロックじゃないんだからさ、
なんて高をくくったりしている。


それはすごく損だ。


たとえば、
このアルバムを
ビートルズの「ホワイト・アルバム」のように
考えて聴いてみたっていいじゃないか。(松永良平


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