Kalapana カラパナ / Kalapana
先日、店頭に見えた山内雄喜さんからとてもうれしいお話を伺った。
山内さんの近作で、マラニ・ビリューがボーカルで参加したという。マラニはカラパナの一員で、結成時のメンバー。再結成以降のカラパナにも参加して、その伸びやかな声を響かせている人だ。
山内さんのアルバムでは、トラディショナルなハワイアンを歌ってもらったのだという。
古いハワイアンを歌うんだったら、ちゃんとした発声で歌わなければいけないのかなあとレコーディング・スタジオで言う彼に、山内さんは、いいんだよ、普通に楽に歌えばと答えたのだそうだ。
確かにマラニは、クラシック・ハワイアンを歌って来た人ではない。カラパナのメンバーに混ざればハワイの伝統に理解を示す音楽を持っている人と映るが、もともとポップス寄りの人であることは間違いない。
彼が心配をした気持ちもわかる。
そのマラニ・ビリューが、ハワイアンを歌った。それがとてもよかったのだそうだ。
なぜそうやって自然にハワイアンを歌えるんでしょう?と聞く僕に、山内さんはこうおっしゃった。
日本人が居酒屋に行って酒を飲むと、ぴったりはまるでしょ。そういうことなんだよ。
なるほどなあ。
カラパナのデビュー作。
後にそれぞれ自らの道を歩むこととなる若き才能が集ったかけがいのない一瞬のドキュメント。
これがマラニ・ビリューのデビュー作。(大江田信)