The Chad Mitchell Trio / At The Bitter End

Hi-Fi-Record2008-03-27

 チャド・ミッチェル・トリオはニューヨークの名門フォーク・グループ。
 主宰のチャド・ミッチェルを中心に、50年代末から60年代中期にかけて、活動を続けた男性トリオだ。後年になるとチャド・ミッチェルが抜け、その後はミッチェル・トリオと名乗った。
 この間には様々なメンバーが出入りした。その顔ぶれにはジョン・デンバーマイケル・ジョンソンなども加わっている。


 このアルバムは、トリオの最初期のもの。
 彼らは楽器の演奏をしない。
 ここではビル・リー(スパイク・リーのお父さん)がベースを弾き、フレッド・ヘラーマン(ウィーバースの一員)がギター、そしてロジャー・マッギンがバンジョーとギターを弾いている。ロジャー・マッキンは、ジム・マッキンと表記されていて、このアルバムのみならず、他の作品でもトリオのバックアップを勤めた準レギュラー的な一員だ。


 この時期、彼はニューヨーク界隈で活動していた。のちにロスアンジェルスに向かい、バーズを結成してヒットを連発した。
 フォーク・ロックに転じることになったきっかけはビートルズだったと、グリニッジ・ヴィレッジのコーヒー・ハウス、"フォーク・シティ"のドキュメント本でインタビューに答えていた。


 
 チャド・ミッチェル・トリオは、ハリー・ベラフォンテカーネギー・ホール・コンサートに、オデッタらと共に招かれて、一躍その名を広めた。
 それもアーチスト・プロモーションのひとつだったのだろうか。アルバムには、A Production of Belafonte Enterprise, Inc. の文字が読み取れる。
 一枚のアルバムのクレジットから、いくつかのストーリーがこぼれてくる。(大江田信)


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