Roy Orbison ロイ・オービソン / Mystery Girl

Hi-Fi-Record2008-04-03

 1988年12月6日、以前から患っていた心臓病によって亡くなったロイ・オービソンが、死の直前までレコーディングしていた作品。死の翌年にリリースされた。そうした経緯を踏まえてのことか、裏ジャケットのクレジットには、妻のバーバラ・オービソンの名前がクレジットされている。


 ブルース・スプリングスティーンが、自身の出世作「明日なき暴走」を録音した時に、フィル・スペクターサウンドをつくり、ボブ・ディランが書くような歌詞を、ロイ・オービソンのように歌いたいと考えていたと語ったのは有名な話だが、そのスプリングスティーンも含めエルヴィス・コステロジャクソン・ブラウンボニー・レイットなど、若い世代からの熱烈な後押しとともに、本格的な復活を遂げたのが1980年代も末のこと。
 それから間もなくして、没した。



 とにかく声が美しい。抜けるような秋空にやどる一点の哀しみのような美声。ロンリーという言葉が、これほどに似合う人は、いないのではないか。
 大好きな一曲、「カリフォルニア・ブルー」の透明な響きを聞くたびに、たまらない気持ちになる。(大江田信)



Hi-Fi Record Store