Peter Duchin ピーター・デューチン / Child Of Mine

Hi-Fi-Record2008-04-04

キャロル・キングのソングブックというテーマの
カヴァー集はCDでもレコードでも少なくない。


しかし、
ちょっと不満があるのです。


ソングライターとして
バート・バカラックやバリー・マンとも並ぶ素晴らしいヒット曲を
50年近く書いてきた彼女の作品集なのだから、
「ロコモーション」や
「ウィル・ユー・ラヴ・ミー・トゥモロウ」をはじめとした
60年代ポップスの名曲が揃うのはしょうがない。


でも実は
ぼくが欲しいのは
彼女がシンガーソングライターとしてのキャリアを重ねた
ザ・シティ以降のソングブック。


ジャズの影響を取り入れ、
ポップスとしては結構変わった構造を持つ
彼女の70年代の曲は
楽家にとって
実は刺激をすごく与えてくれる素材だったのではないか。


ピアニスト、ピーター・デューチンは
このアルバムで
ビーン・トゥ・カナン」と
「チャイルド・オブ・マイン」を
カヴァーしている。


前者に目をつけるのは
はっきり言って、ハイセンス。


周りのヒップな音楽仲間を
「おまえ、彼女のこの曲知ってるか?」と
挑発しているんじゃないかと
思えてしまう。


今、
ハイファイには
ガボール・ザボが
「イッツ・ゴナ・テイク・サム・タイム」を
カヴァーしているアルバムも入荷中。


これもまた、
やられたと思う名選曲になっている。(松永良平


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