Dion ディオン / You’re Not Alone
長いキャリアがあるのに、
一度も来日したことがないアーティストというのは
少なくない。
有名なところだと
ヴァン・モリソンに
アレサ・フランクリン。
このふたりは飛行機が嫌いなのだという。
こないだお店でお客さんを話をしていたら
バリー・マンが見たい!
というリクエストの声があがった。
弾き語りでもいいんだ。
それなら、ディオンはどうですか?
と返答してみた。
ベルモンツとでもいいけれど、
弾き語りなら、なおのこと素晴らしい。
そう思わせるのは
彼が70年代初めに
ワーナー・ブラザースに残したソロ作が
あまりに素敵すぎるからだ。
もっとも、
彼は不遇のシンガー・ソングライターではなく
生粋のスター・シンガーだったのだ。
招聘は簡単ではないんだろう.
あの声でギターの弾き語りなんかされたら、
頭のてっぺんからつま先まで電流が流れて
一曲終わるころには感電死。
声で天国に行かせてくれるのなら、
何度でも死にたい。
そう思わせてくれるのが
ワーナー時代のディオンだ。(松永良平)