Tennessee Ernie Ford / Country Hits...Feelin’ Blue
テネシー・アーニー・フォードの知られざるアルバム。
ジャケット写真にあるがまま、数本のギターとベースをバックにして、アーニー・フォードの渋いのどを聴くアルバムだ。ギターは、ビリー・ストレンジが弾く。
自室の居間で歌われているような気取らない雰囲気と、たっぷりとした低音で、カントリー・ソングの数々が歌われる。静かで深いアルバム。
歌の言葉を聞くとして構えるこちらの耳に、少しずつ言葉が投げかけられて来る。歌詞を聴くテンポのままに、思いが膨らむ。歌詞と風景とが同時進行して行く。
それにしてもシンプルの極み。ギターの響きと素肌の歌。
ジャズやフォーク、フォルクローレ、ファド、ハワイアンなど、様々なジャンルに、ボーカルと伴奏のギターのみというアルバムがある。主人公の弾き語りではなくて、ボーカルと伴奏者によるギターの演奏、ここがポイントだ。
そうしたアルバムを様々に集めて行くとしたら、必ずやリストに加えられる一枚だろうと思う。(大江田 信)