Sonny Stitt ソニー・スティット / 「Matadores Meet The Bull, The
ここ最近、風邪をこじらせてしまっていた。
で、ついでにこじらせてしまったのが
「いましろたかし」熱。
漫画家である。「また漫画の話かい。」というツッコミは堪忍下さい。
いい年こいた男の生き様を描いた傑作「ハーツ&マインズ」を誰かに薦められたのだけど、今までずっと読んでいなかった。さて、読んでみたらハマるハマる。哀しいほどにドツボだった。ジス・イズ・ダンディズム。布団の中で、ちょっぴり泣いた。
いましろ氏の漫画にはとあるレコードが登場する。
それはソニー・スティットのアルバム。(まとめて一気に読んだのでタイトル忘れてしまいました。あいすいません。)
シブいチョイス。
本日の一枚は現在ハイファイの在庫にあるソニー・スティットのアルバム。
「Matadores Meet The Bull, The : Stitt!」
(闘牛士たちが猛牛にぶつかった、そいつの名はStitt!)
ガチンコで猛者たちがセッションしたラテン・ジャズ・アルバム。
ティト・プエンテ、ジョー・キューバ、レイ・バレットといったタイコ陣に上物はビリー・テイラー、クラーク・テリー、ジュニア・マンス、J.J. ジョンソン。
彼らがぶつかりあって生まれた火花散る狂おしいグルーヴが聴きもの。
いましろ氏の漫画には「無気力なあなたに!」というような販促コメントが通例のようにあるけれど、氏の漫画を読めば癒されるどころか、ほどばしる煩悩と悩ましい葛藤がぶつかりあって読み手を轟沈させる。沈痛の面持ちになるか、啓発されるかいずれかである。
喝采という華があって哀愁もある。そんな闘牛士といましろ氏の描く主人公は大変遠いように思えるけれど、深い所で通底しているような気がしてならない。(藤瀬俊)