Ken And Phil Emerson ケン&フィル・エマーソン / The Emersons
1970年代末にハワイはホノルルのFM局が主催して、若い世代のハワイアン音楽を公募したプロジェクトが、数年に渡って行われた。それがHome Grown。
AOR風のロックから、フォーク、ハワイのトラディショナルなど、様々な音楽が紹介された。ここからデビューのきっかけをつかんだアーチストも多い。
彼らエマーソン兄弟もそのひとつ。
ハワイを出てアメリカ本土で活躍したギタリスト、ソル・フーピーの音楽を完コピしたようなスタイルで登場した。
ボブ・ブロッズマンと親戚と言っていいような有りようと、立ち位置の音楽だ。
楽しくて楽しくてしょうがなかったんだろうと、思わされる。音楽に真っ正直にぶつかっていて、その愚直さが健康なのだ。
ケン・エマーソンは今なお現役。
数年前のこと。
タイに演奏旅行に行くんだけれども、その帰りに日本に寄る飛行機を取ったんだけれども、ついでにキミの店に寄って、ちょいと演奏するってのはどう? なんてメールをもらったことがある。いや、それは急だし、大変だし、なんて言って、断ってしまった。
あのとき、断らなければ良かったのかもしれないと、今、こうして久しぶり(!)に入荷した彼らのデビュー・アルバムを聴きながら、ちょいと反省してしまった。生で、しかもハイファイの店内で、こんなに楽しい演奏が聴けたのかもしれないのだった。(大江田)