Don Ho And The Aliis ドン・ホー / Suck’Em Up : Recorded Live

Hi-Fi-Record2008-04-24

 またしても聞かず嫌いだった。このところ反省しているのが、ハワイアンのシンガー、ドン・ホー。
 60年代のハワイアンを代表するスターだったこと、その後のハワイのショウビズな音楽シーンの重鎮だったこと、数年前にライヴを見た人から聞いた印象などから、漫然とした音楽の人だろうと思って、手を出さずにいた。
 ただしその一方で元カラパナのカーク・トンプソンなど、コンテンポラリー・ハワイアン系の若手音楽家たちに、制作的な援助をしていたことも知るにつけ、少しづつ興味を抱き始めていたことも事実なのだが。


 そんな折、ふと手にしたドン・ホーのアルバムを聴いて、軽いショックを受けた。
 サウンドがスマート。さっくりとしている。ソフトロックの感触に近い。ボサノヴァの風味が混ざり込んでいる。そして適度にショウビズなテイク・イット・イージーでお気楽な感じ。それがいい。


 日本だけでのことなのかもしれないが、彼の音楽を称して、ファンはモダン・ハワイアンと呼ぶ。
 ジャズとモダン・ジャズ、フォークとモダン・フォークなどと同様に、「モダン」を添えて呼ぶ時にはらまれている、新鮮な驚きや新味への期待が想像される表現だ。
 いかにも「モダン」な感じ、確かにそれがドン・ホーの音楽の楽しさなのではないかと思う。「モダン・ハワイアン」という呼び方は、なるほど言い得ていると思うのだ。(大江田信)



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