Richard Barnes リチャード・バーンズ / Richard Barnes
アルバムの2曲目に「Your Song」が収録されている。
エルトン・ジョンが書いたヒット・ソングだ。そう、ロッド・スチュワートも歌っているあの曲。
耳馴染みが有るはずのメロディが、リチャードの声とマナーで歌われていることで、まったく違う曲のように聞こえて、はっとした。
なんだかか細い声で、情け無さそうな声。歌詞とメロディを自分にとても引き寄せ内向的に歌っている。まるで鼻歌のよう。「歌曲」とか「歌唱」などと言われる表現の対局に位置するような、自信無げな感じ。押し付けがましくなくて。
愛する人に向けて、あなたがいてくれて、どれほどにこの世界は素晴らしいかとする歌詞が、そっとつぶやくように聞こえてくる。
これは「Your Song」といううたの、歌われ方のひとつだなとふと思った。(大江田 信)