Xavier Cugat And His Orchestra / Bang Bang

Hi-Fi-Record2008-05-15

 最近になって、ヘンリー・マンシーニの娘、モニカ・マンシーニを始め、スティーヴィー・ワンダー、トム・スコットなど数々のアーチストが参加して2004年にリリースされたオムニバス・アルバム「アルティメイト・マンシーニ」を聞いて、改めてマンシーニの音楽に酔った。


 マンシーニのメロディを他のオーケストラがレパートリーに加えるとすると、「ム−ン・リバー」や「酒とバラの日々」くらいで、それほど数多くは見かけないように思う。イギリスの指揮編曲家ジェフ・ラブがマニュエル名義で発表している作品、あるいは服部克久氏による東京ポップス・オーケストラに聞くべき演奏があるくらいで、ほかにあったとしてもあまり感心したことが無い。


 なんて愛するあまりの愚痴まがいのことを思っていたら、あっと驚くカバーがあった。


 同時代のヒット曲をモッド気分なラテン気分に変身させているザビア・クガートのアルバムの終曲に、こんなに意外な「シャレード」が収録されていた。もともと3拍子のワルツだったはずのシャレードが、ここではラテンな16ビートのリズムに支えられダンサブルに生まれ変わっている。驚いた。
 ワルツのメロディは、リズムの工夫が加わると、思いもかけない表情を見せる。(大江田 信)


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