Warren Schatz ウォーレン・シャッツ / Warren Schatz
ニューヨーク周辺で
ソングライターとして活動していたこのひとは
この唯一のソロ・アルバムを残して
また裏方に回る。
自分でレーベルを起こしたり、
ディスコ・プロジェクトに関わったり、
意識してよく見てみたら、
ウォーレン・シャッツの名前は
東海岸のレコードに結構載っているのだと知った。
彼がひょっとしてこの時代にデビューせず、
もう少し下積みを続けていたら、
AORの時代に良いアルバムを出したような気がする。
ケニー・ノーランみたいに。
しかし、70年代もまだ始まったばかりのころに
彼はデビューのチャンスを得たわけだ。
これはぼくの妄想だが、
当時コロムビアのA&Rであったアル・クーパーが
こういうひとたちに
レコード出そうぜと声をかけていたのではないだろうか。
60年代の終わりから
70年代の始めにかけて
コロムビアやエピックに
一枚だけレコーディングを残した
シンガーソングライターたちが少なくないのは、
案外そういう理由だったりして。(松永良平)