V.A. / That’s The Way I Feel Now : A Tribute To Thelonious Monk
このレコードが84年に発売になったことを覚えているのは
ぼくがジャズ・ファンだったわけでも
NRBQファンだったわけでもなくて、
ラジオを聴くのが好きだったからにすぎない。
田舎に住んでいたし、
聴ける局は限られていた。
まだFMはNHKのみ。
「セロニアス・モンクをロックの連中が
カヴァーしたアルバムが出たんですよ」
とか何とかDJのひとは言っていただろうか。
そこから
NRBQの「リトル・ルーティ・トゥーティ」と
ドナルド・フェイゲンの「リフレクションズ」を
続けてかけたと思う。
若宮てい子さんがDJしていた「朝のポップス」だったか
それとも夕方の「軽音楽をあなたに」だったか。
「サウンドストリート」ではなかったし、
DJがかける前に曲を紹介していたから
「クロスオーバーイレブン」でもなかったはず。
まあ、それはいい。
問題は、
その2曲が流れたとき、
ぼくがNRBQはスルーして、
ドナルド・フェイゲンだけカセットにエアチェックしたことだ。
ドナルド・フェイゲンは
彼がその前に出していた「ナイトフライ」を買っていて
好きでよく聴いていたからだ。
あのとき
NRBQも録音していれば、
あと何年か早く、
あの奇特なライヴ・バンドの魅力に
気がついていたかもしれないのにね。
もちろん
新品の2枚組アルバムなんて高価なものを買って
作品の全貌を確かめるほどの
お金はまだ持っていなかったのでした。（松永良平）
