Danny Davis And The Nashville Strings / Play Instrumental Versio

Hi-Fi-Record2008-06-25

 ハーマンズ・ハーミッツ。
 かつてラジオの洋楽ヒットチャート番組にかじりついていころ、彼らの音楽はたまらなく魅力的なサウンドだった。バンジョーの響きが印象的な「ミセス・ブラウンのお嬢さん」とか、キャッチーなメロディに心奪われた「見つめあう恋」とか、気軽に口ずさめるところがいい。ボクの心の引き出しのどこかに、今でもすんなりと収まっている。


 思い返すと「ミセス・ブラウンのお嬢さん」に魅かれたのは、「Mrs Brown You've Got A Lovely Daughter」という歌いだしの一節がすんなり耳に入って来て、それがうれしかったからだろう。英語を学び始めたばかりの中学生は、ミセス・ブラウンのお嬢さんに声を恋心を抱く主人公が、それを秘めつつ彼女のお母さんに声をかけている歌なのだろうと思い込んだ。お母さんに受けを狙うのか、へえ、そういう方法もあるんだと思ったのだ。ただし、その後に続く歌詞はチンプンカンプンだったのだが。



 いかにも女の子受けしそうな歌い方をするピーター・ヌーンの声には、かすかな抵抗感もあった。
 Danny Davis And The Nashville Strings によってポップス・オーケストラに編曲された「ミセス・ブラウンのお嬢さん」を聞くと、ピーター・ヌーン色が払拭されているし、そのうえキュートな女性コーラスが活躍していて、気分いいことこの上ない。
 口笛が吹きたくなる感じ。(大江田信)