Sammy Davis Jr. サミー・デイヴィス・Jr. / That’s Entertainment
サミーに初の全米ナンバー・ワンをもたらした「キャンディ・マン」の
二匹目のドジョウなアレンジで歌われる「シンギン・イン・ザ・レイン」だが
そうとはわかっていても
子供コーラスとサミーの楽し気な歌のキャッチボールには
心をうばわれる。
「シンギン・イン・ザ・レイン」は
映画「雨に唄えば」(1952年)で世界的に有名になった曲だが
もともとは1929年に
ウクレレ・アイクことクリフ・エドワーズが
歌ったものがオリジナル。
映画のテーマである無声映画からトーキー映画に移り変わる時代を
象徴する曲として使われたのだ。
ただし、
世界の気象の変化を見ていると
今では雨の中を歌って踊って楽しいねという表現自体が
成り立たなくなってきているという気もする。
大雨にうめき苦しむ今の時代、
ひょっとしてこの曲の響きはもはや
「呻吟(シンギン)・イン・ザ・レイン」なのか。
なんつって。(松永良平)