The Washington Squares ワシントン・スクエアズ / Fair And Square

Hi-Fi-Record2008-07-01

80年代に咲いた徒花グループの中で
今ならそのコンセプトでもう一度やれるんじゃないかと
思わせてくれる存在は少なくない。


あの時代の
バーブきつめのエコー感を取り除いて
より生々しいサウンド
過去と現在を俯瞰して眺めるセンスで
このコンセプトをもう一度。


ワシントン・スクエアズも
そういうグループのひとつだと思う。


当時はニューヨークの
アコースティックなニューウェイヴの異端の一例として紹介されていて、
音楽的にはモダン・フォークのパロディなのだという事実よりも
精神的にパンクだということの方が大きく扱われていた。


だが、
その期待の大きさに反して
当時も今も、
なんとなくこのレコーディングの音質のせいで
損をしてる感はぬぐえない。


ドラムで手伝っているのが
テレヴィジョンのビリー・フィッカだったんだもの。
きっとライヴはもっとヒップで
鋭いものだったはずだ。


今なら
思いっきりノンエコーにして
モダンフォークを楽しむ
スモール・サークル・オブ・フレンズみたいな
売り出し方でやってみようと思うがね。(松永良平


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