The Washington Squares ワシントン・スクエアズ / Fair And Square
80年代に咲いた徒花グループの中で
今ならそのコンセプトでもう一度やれるんじゃないかと
思わせてくれる存在は少なくない。
あの時代の
リバーブきつめのエコー感を取り除いて
より生々しいサウンドと
過去と現在を俯瞰して眺めるセンスで
このコンセプトをもう一度。
ワシントン・スクエアズも
そういうグループのひとつだと思う。
当時はニューヨークの
アコースティックなニューウェイヴの異端の一例として紹介されていて、
音楽的にはモダン・フォークのパロディなのだという事実よりも
精神的にパンクだということの方が大きく扱われていた。
だが、
その期待の大きさに反して
当時も今も、
なんとなくこのレコーディングの音質のせいで
損をしてる感はぬぐえない。
ドラムで手伝っているのが
元テレヴィジョンのビリー・フィッカだったんだもの。
きっとライヴはもっとヒップで
鋭いものだったはずだ。
今なら
思いっきりノンエコーにして
モダンフォークを楽しむ
スモール・サークル・オブ・フレンズみたいな
売り出し方でやってみようと思うがね。(松永良平)