The Brothers Four ブラザース・フォア / A New World’s Record
ブラザース・フォアは、フォークをレパートリーにすることから出発した。
バリバリのフォーク・グループではなく、60年代中期にいち早くビートルズのソングブック・アルバムを作ったり、同時にブロードウェイのレパートリーを取り上げるなどして、ポップ・コーラス・グループへと脱皮をはかる。
このアルバムはまさしく脱皮中の試行錯誤をドキュメントしたような内容だ。おそらく、シングル盤用に録音した音源をまとめたアルバムだろう。複数のプロデューサーが手がけた音源を収録している。
例えばこのアルバムでジョン・サイモンが手がけている音源。妙に凝っているし、お金がかかっている。日頃のステージで演奏しなれていた曲をさらっと収録したという風ではない。スタジオであれや、これや、試みたのだろう。
どの時点あたりから、アルバムの予算立ての仕組みが変わっていったのだろう。コロムビアだったらサイモン&ガーファンクルの「ブックエンド」のあたりからか。
ちなみにプロデューサーのジョン・サイモンは、「ブックエンド」にかかわった一人。二人のスタジオ使用時間のあまりの長さに音を上げたとも言われている。
抜群のソフト・ロック「Here Today And Gone Tomorrow」。
えっ、これがブラフォーなの?と驚かれることと思います。(大江田 信)