Frank Chacksfield / Evening In Rome
ローマのイヴニングは残念ながら未体験。
だから、アメリカのイヴニングの話を。
アメリカにいるとき、
とりわけ夏の時期にいつも思うのは
イヴニングという時間帯の不思議さだ。
日本ではなかなか意識しずらいだろうが、
アメリカの日暮れは遅い。
とくに6月から8月にかけては、
夕方6時なんて、まだ陽がかんかん。
夜8時をすぎてもなかなか暗くなりきらない。
実は、
その時間帯こそがイヴニングである。
陽が暮れきるとナイトが訪れる。
イヴニング(Evening)という言葉に含まれる
イーヴン(Even)が持つ「まだなお」とか、
そういう意味合いが入っているのかもしれない。
まだ夜じゃない。
それは勝手な自説ですが。
語源をご存知の方、お知らせください。
イヴニングになると、
個人経営の店はだいたい閉まる。
レコード屋であっても、
6時閉店は決して珍しいことではない。
これからモーテルまで何時間か走らなくてはいけないぼくたちを尻目に
店じまいをする店主たちの姿を
うらめしく眺めることは数知れないのだった。(松永良平)