FCC / Baby I Want You

Hi-Fi-Record2008-09-24

 FCCは、Funky Communication Committeeの短縮形だ。


 1979年に、この長ったらしいグループ名を記したアルバムをリリースした。翌年には、グループ名をシンプルにFCCとしたセカンド・アルバムを発表しているところを見ると、メンバーもスタッフもやっぱり長いぞと思ったのかもしれない。
 オリジナルのファースト・アルバムと、セカンド・アルバムの狭間でリリースされるのが、このFCC名義のファースト・アルバムだ。ジャケットのデザインを全面的に改訂している。そんな訳で、なかなかHard To Findな一枚。



 マクドナルドがマックやマクドに豹変するのは、もう当たり前。ミスター・チルドレンがミスチルになった時にも驚いたけれども、要するに元の言葉のもつルールなんてどうでもいい、日本語として覚えやすくテンポがよければいいということ、なのだ。わかる感じがするし、ぼくもケッコー使う。
 こういう短い言い回しが生まれ使われること、それがヒットの証。ネーミングするスタッフも、早く短縮系が一般化するよう、もちろん充分に考えてのことなのだろう。
 でも、ケンタッキー・フライド・チキンのことをケンタと言うのは、どうもなんだか居心地がわるい、今でも。



 英語の短縮形は、これはもう至る所で使われる。マサチューセッツ工科大学: Massachusetts Institute of TechnologyがMITになり、As Soon As PossibleがASSPになる。
 この伝で高速道路の標識に書かれた文字が有り、いささか難渋したことがあった。
 その出口には「U of M」と書かれていた。
 なんだろうあれ、なんのこと?などと言いながら何回となく通り過ぎるうちに、やっと分かった。これは「University of Minnesota」のことだったのだ。ミネソタ大学。
 「University of Minnesota」と高速の標識に書いても、道路上では読み切れないからなのか、「U of M」と言い習わされているのか、とにかくミネソタ大学の回りは、「U of M」だらけだったのだ。



 なるほどなあと思ってからは、あまり驚かなくなったが、でもなんのこと分からない短縮表現はいっぱいある。
 突然の出会い頭に「FCC」と書かれていて、何人の人が「Funky Communication Committee」のことと分かるのだろう。たぶん一定のサークルの中の人だけ。となると、この「FCC」名義のアルバム・リリースは、ヒットの証なのだろうか。(大江田 信)



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