Herb Alpert And Tijuana Brass ハーブ・アルパート / Sounds Like..

Hi-Fi-Record2008-10-04

 アルバム冒頭曲は「Gotta Livin' To Do」。


 この曲に耳が止まるようになったのは、ジョニー・ラッソのおかげ。彼のCD「Ithaca Our Home」の冒頭に「Lot Of Livin' To Do」のタイトルで収録されていた。それが良くて、イチコロになった。
 いい、いいと言っていたら松永クンに、「シナトラも歌っている大メジャーな曲なんですよ」と教えられた。調べてみたら、それこそ山ほどの人たちが歌っていた。どこかで知らず知らずに聴いていたかもしれない。でも、これほどにピンときたのはジョニーのおかげだと、ジョニー・ラッソ好きのぼくはひとりで悦に入っていた。だって、ジョニーが歌う「Lot Of Livin' To Do」よりもいいヴァージョンに出会わないんだもの。


 そのうちに、こんどはハーブ・アルパート版「Gotta Livin' To Do」を聴いて、またコロッと行ってしまった。青春を回想しているかのようなウェットな感傷が心地よいジョニー版と比べると、ハーブ・アルパート版には、ほどよいお気楽さがある。ワン・コーラスもしないうちに転調をするセンスもいいし、サビのパートでのスキャットのセンスも素晴らしい。微妙にビート感の違う二つのヴァージョンを聴き比べることも、楽しかった。
 そういえば一小節しか無いジョニー版のイントロのアイデアもおもしろいし、フェイド・イン気味に始まるハーブ・アルパート版のイントロもおもしろい。イントロの技を要求する曲なのだろうか。


 ハープ・アルバート版の邦題は「いっしょに踊ろう」。「やる事はいっぱい」なんて邦題もある。でもなんだかピンとこない。


 ちなみにぼくが選曲したジョニー・ラッソCDのうちの1枚、「スウィンギン・ハッピー」の冒頭はこれ。ベスト盤の選曲が出来るならば、断固としてこれにすると決めていたのだ。(大江田信)