Charlie Byrd チャーリー・バード / The Stroke Of Genius

Hi-Fi-Record2008-10-13

LPレコードは
12インチとも呼ばれる。


12インチは
メートル法で言うと30.48センチ。


約30センチの大きさは
だいたい同じ。


そう思うかもしれないが、
実は違う。


レコード会社によって
微妙に大小があるのだ。


その中でも
戦略を感じるのは
アメリカのColumbia。


60年代後半から70年代前半の
ColumbiaのアナログLP、
そしてそれを収納するジャケットは
実は5ミリほど大きいのだ(同時代比)。


それって実はワザとだったのでは?


レコード屋さんの棚にLPが収まっているとき
頭ひとつ、いや、ほんの先っちょだけだが、
確かに背が高い。


そうすることで
手に引っかかり、
目に留まる確率が高くなる。


バカ言うな、
レコード会社が考えるのは音楽のことだろ。


でも、レコードは
手にとってもらえなければ
聴いてもらえないのだ。


アーティストのネームヴァリュー、
十分なプロモーション、
上質のアートワーク、
それらを満たした上で
それ以外にできることは何か?


それが意外と
レコードのサイズだったのかも。


ちなみに、
Columbiaのやや大きなサイズ時代は
時期的には
辣腕クライヴ・デイヴィスが
経営の実験を握っていた時期と重なる。


このチャーリー・バードの72年のアルバムも
他のレーベルのレコードと並べてみたら
やっぱりちょっとだけ大きかった。


この、ちょっとだけ大きいという
微妙な気づかれにくさも
他社に抜かれないための
キモですな。(松永良平


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