Johnny Pisano And Billy Bean / Makin’ It
申年生まれだから
猿ジャケに弱い。
別にこだわって集めているわけじゃなくて
まあ、ほほが緩むぐらいのこと。
「猫ジャケ」の次は
「犬ジャケ」という下馬評らしいけど
そこをひとつ、
「猿ジャケ」いかがすか?
売れませんか。
そらそうですね。
デッカ・レコードが50年代末に発売していた
「Mood Jazz In Hi-Fi」シリーズは
奇想ジャズの集まりにして、
動物ジャケの宝庫でもあった。
ラルフ・バーンズのペンギンとか
トゥーツ・シールマンスの、ばてたブルドッグとか
いちいち構図もにくい。
ほら、このテナガザルも
困り者。
こどもの頃、
身長に対してやけに手が長かったので
「この子は身長2メートルぐらいになるぞ」などと
思われていたらしい。
172センチで止まったけど。
そういう意味では
ぼくもテナガザル。
DNAがこのレコードを探せと訴えかけてくるが
残念ながらお店で扱った以外に
自分では見つけたことがない。
「猿ジャケ」か。
ゴリラにオランウータン、
いっそ霊長類全部ってことで人間も入れちゃう?
ほら、あのジャケやあのジャケ、
なんて失礼なことを考える秋の夜。(松永良平)