Artie Kane / Henry Mancini Presents : Artie Kane Plays Organ!

Hi-Fi-Record2008-11-03

 「酒とバラの日々」こと"The Days Of Wine And Roses"を、同名映画の主題歌と知ったのは、曲を聞いたと同時だったはずが、実際に映画を見たのはずいぶんと後々のことだった。耳にするロマンチックなメロディから想像されるような雰囲気ではなくて、アルコール依存症の夫婦を映画いた陰鬱な映画だったことにとても驚いた。



 映画と一緒にこの歌を聴くと、ほろ苦い過去などという言葉を用意するのがはばかれるほどだ。
 ただし映画を離れて改めて聴くと、酒とバラの日々を追憶する歌詞に、失った美しき日々への思いが美しく描かれることに気持ちが動く。




 主役の夫婦役の一人が、ジャック・レモン
 晩年に出演したテレビのインタビュー番組、「アクターズ・スタジオ」で、自身もアルコール依存症だったと語った。一瞬、周囲が凍り付いたように息を呑んだのが忘れられない。


 同曲の作曲家、ヘンリー・マンシーニに見いだされたオルガニスト、アーティ・ケインが弾く「酒とバラの日々」。切れ味よく、そしてどこかしらセンチメンタルな音色が響く。(大江田信)



Hi-Fi Record Store