John Hartford ジョン・ハートフォード / The Love Album

Hi-Fi-Record2008-11-04

 スマサーズ・ブラザースのテレビ・ショウに、ジョン・ハートフォードが出演していた。
 ビートルズが2曲、ドアーズが2曲、ジェファーソン・エアプレインも2曲、スパンキー&アワ・ギャングも2曲。そのほかエバリー・ブラザーズやジョー・サウスなど、豪華な出演陣の2時間番組だった。
 


 スマサーズ・ブラザースのふたりがコメントを交えながら、アーチストと音楽を紹介する。アーチスト・サイドから送られて来たプロモーション用の映像フィルムをつなぎ合わせる一種のクリップ番組のように見える。スマサーズ・ブラザースのふたりと絡むアーチストがいない。
 67年の後半か68年の前半頃の映像かなと思うが、もうこの時点でこうした手法の番組があったということを、面白く感じた。さすがテレビの国だ。
 それとも、まさか日本でも同様の番組があったのだろうか。
 



 ジョン・ハートフォードの次に登場したメイソン・ウィリアムスが、バッチリのカメラ目線でにこやかにサービス精神いっぱいで歌う姿を見ているうちに、そういえばジョン・ハートフォードはこちら側を見なかった、と思った。
 なんとなくテレビ画面を眺めていただけなので確信は無いのだが、テレビ・カメラを見ていたとしても、彼の心は違うところを見ている、そんな後味を残す演奏だった。
 椅子に座ってギターを手にしているジョン。目線は、画面の左を見ている。バックの演奏はカラオケ。歌は口パクかもしれない。女性コーラスの華やかさが、場違いな印象だった。




 投稿サイトを検索してみれば、彼の演奏する映像を容易に見つけることが出来ることを知った。
 でも、僕はこうして出会ったジョン・ハートフォードとの出会いが、いかにも彼の音楽とお似合いのような気がした。
 例えばこのアルバムに収録の「Natural To Be Gone」のような。予定調和的ではなくて、なんとなく流れ行くようで、一カ所にとどまらない感じ。60年代のジョン・ハートフォードの音楽に、ぼくはこんなイメージを持っている。(大江田信)
 

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