Grubstake グラブステイク / Grubstake

Hi-Fi-Record2008-11-12

 グラブステイクのひとり、リーダー格のハリー・タフトに、その昔ぼくがやっていたフォーク・グループ、林亭のCDを差し上げたしたことがある。
 翌日だったか数日後だったか、彼のところに出向くと、若いスタッフが林亭のCDを聞いていた。



 「これ、おもしろいね。アメリカのフォーク・ソングが好きなんだね、でも言葉は日本語なんでしょ。ぼくには何て言っているのか、わかんないけど」。
 と、彼が言う。



 「オリジナルのメロディが有るんですよ」とぼくが答える。
 「例えばこの曲は、FolkwaysのMountain Music Bluegarass StyleのB面3曲めだったかな。この曲はRCAのVintage MusicのRailway Folksongsだったっけ、あのアルバムのB面3曲目だったかな、ええっと」
 と言ううちに、ハリー・タフトが話に入ってくる。
 「君の好きなメロディにはB面3曲めが多いねぇ。ふふふふふ」。
 思わず、僕も笑った。




 「確かににB面3曲めって、それなりの感じのメロディが多いんだね」と言いながら、ハリーは若いスタッフに話しかける。
 「今、マコトが言っていた曲の入っているレコードは、家にある。近いうちに持ってきて、キミにも聞かせてあげよう。
 君たちのCD、おもしろいと思う。そういえば友人のディック・ワイズマンが、今は娘さんの暮らすオレゴン州ポートランドに引っ越していて、地元でローカルなラジオ放送番組を持っているんだけれども、そこでかけてもらってもいいかな?」



 「はい、もちろん」と僕は答えた。
 「ディックはおもしろがってくれるでしょうか?」と尋ねる。
 「たぶんね」とハリーが答えた。



 こうしてハリーとやり取りをした林亭のアルバムとは、今から35年も前、学生時代に自主制作したアナログ・レコードの音源が、90年代に入ってCD化された作品のこと。
 そのCDのリリースからも、もう15年近くの年月が経っている。
 林亭のセカンド・アルバムを作ることを思い立ち、メンバーの佐久間順平とふたりでこの夏からスタジオに入った。リハーサル、レコーディング、トラックダウンと続いた一連の作業が、このほど終わった。
 


 来年になったら、多くの方に聞いていただけることになるだろう。
 もちろんハリー・タフトにも送ることにしよう。
 こんどは、彼は何て言ってくれるだろう。



 閑話休題
 昨日のシュークリーム事件の犯人を、コメントの足あとから推理します。
 「いや、4個だったとか」と言った人が犯人かな、と。闇に乗じて食べちゃった感が濃厚なコメント。
 さて、どうぞ、あたっていたら自首してくださいね。(大江田 信)


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