Grubstake グラブステイク / Grubstake
グラブステイクのひとり、リーダー格のハリー・タフトに、その昔ぼくがやっていたフォーク・グループ、林亭のCDを差し上げたしたことがある。
翌日だったか数日後だったか、彼のところに出向くと、若いスタッフが林亭のCDを聞いていた。
「これ、おもしろいね。アメリカのフォーク・ソングが好きなんだね、でも言葉は日本語なんでしょ。ぼくには何て言っているのか、わかんないけど」。
と、彼が言う。
「オリジナルのメロディが有るんですよ」とぼくが答える。
「例えばこの曲は、FolkwaysのMountain Music Bluegarass StyleのB面3曲めだったかな。この曲はRCAのVintage MusicのRailway Folksongsだったっけ、あのアルバムのB面3曲目だったかな、ええっと」
と言ううちに、ハリー・タフトが話に入ってくる。
「君の好きなメロディにはB面3曲めが多いねぇ。ふふふふふ」。
思わず、僕も笑った。
「確かににB面3曲めって、それなりの感じのメロディが多いんだね」と言いながら、ハリーは若いスタッフに話しかける。
「今、マコトが言っていた曲の入っているレコードは、家にある。近いうちに持ってきて、キミにも聞かせてあげよう。
君たちのCD、おもしろいと思う。そういえば友人のディック・ワイズマンが、今は娘さんの暮らすオレゴン州のポートランドに引っ越していて、地元でローカルなラジオ放送番組を持っているんだけれども、そこでかけてもらってもいいかな?」
「はい、もちろん」と僕は答えた。
「ディックはおもしろがってくれるでしょうか?」と尋ねる。
「たぶんね」とハリーが答えた。
こうしてハリーとやり取りをした林亭のアルバムとは、今から35年も前、学生時代に自主制作したアナログ・レコードの音源が、90年代に入ってCD化された作品のこと。
そのCDのリリースからも、もう15年近くの年月が経っている。
林亭のセカンド・アルバムを作ることを思い立ち、メンバーの佐久間順平とふたりでこの夏からスタジオに入った。リハーサル、レコーディング、トラックダウンと続いた一連の作業が、このほど終わった。
来年になったら、多くの方に聞いていただけることになるだろう。
もちろんハリー・タフトにも送ることにしよう。
こんどは、彼は何て言ってくれるだろう。
閑話休題。
昨日のシュークリーム事件の犯人を、コメントの足あとから推理します。
「いや、4個だったとか」と言った人が犯人かな、と。闇に乗じて食べちゃった感が濃厚なコメント。
さて、どうぞ、あたっていたら自首してくださいね。(大江田 信)