Don Ho ドン・ホ− / You’re Gonna Hear From Me
60年代モダン・ハワイアン期に絶大な人気を誇ったドン・ホー。
ハワイのホテルでのディナー・ショーの模様をおさめた作品を皮切りにアメリカ本土向けのレコードのリリースが始まるのだが、これが売れたのか同種のアルバムが複数ある。
そしてリリースされたのが、スタジオ録音によるこのアルバム。
裏ジャケットにはロサンジェルスの空港に下り立った一行の写真が飾られている。楽しげなお祭りムードが漂い、しかもそのうえ本土を打ち負かしに来たぞぉ的なコメントが記されていて。
こののちドン・ホーはラスヴェガスのショーにも進出。ハワイ生まれのキュートなガール・ポップ・シンガー、ロビン・ウィルソン(A&Mにソロ・アルバムあり。そばかすだらけの顔がかわいいジャケットです。見覚えありませんか?)と共演するのなど、活動の幅を広げて行く。
それにしても、なぜかこのアルバム、あまり見かけないのだ。
中身は、ウエストコーストとハワイをつなぐ糸が見えてくるような西海岸ポップス。
考えてみれば、カラパナやマッキー・フェアリーの場合も、西海岸ロックの影響を抜きには考えられない。
ハワイアン・ファンというよりも、むしろポップス・ファンにオススメのお気楽気分一杯のリラクシンもの。アリーズのジャジィなコーラスも楽しいし、ハワイアンとボサノヴァをかけあわせたフラノーヴァのさやわかさもいい。軽さという芸を楽しむことが出来る。(大江田信)