Waldo De Los Rios / Symphonies For The Seventies

Hi-Fi-Record2008-11-27

 年末になると聴きたくなるベートーヴェン交響曲第9番合唱付き。
 日頃この長尺のシンフォニーを聴くのは、いかにも気合いが必要だし、どっこしょと立ち上がるきっかけも必要とするけれども、年末だったらなんとなく聴けてしまう、というか。年末に各所で9番を演奏されるのは、日本だけの出来事らしいけれども、そのおかげというか。


 で、ワルド・デ・ロス・リオス。
 9番をドラムを入れてポップに編曲している。いわばセミ・クラシックということになるのだろうが、いやにマジな感じのオケの響きがするし、メロディを崩すことなく演奏しているあたりが、世の世の多くのセミ・クラシックと少し違う。リズムはロックですけどね。


 ワルド・デ・ロス・リオスのことは、ラジオの仕事をご一緒している若山 弦蔵さんに教えていただいた。このベートーヴェンの9番がかつてアメリカのチャートで上昇し、日本でもシングル盤が発売されていたとわかった。なんということだ。


 実は、僕はベートーヴェン好きです。
 モーツァルトとかドビッシーとか、ほかにもエリック・サティとかショパンなんて言えれば、格好いいのかもしれないけれども。 
 どんくさくて、ゴリゴリで、濃くて、たまに鬱陶しくて、いかにもくどいベートーヴェン。なんだ、まるでオレじゃないかと思ったりして。
 それにしても、やっぱりベートーヴェンが好きだと、9番を聴きながら感じ入る。人の声の力の強さのようなものがみなぎっている。
 ワルド・デ・ロス・リオスの9番。
 とてもいいです。ぜひ、この季節に、どうぞ。(大江田 信)



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