Waldo De Los Rios / Symphonies For The Seventies
年末になると聴きたくなるベートーヴェンの交響曲第9番合唱付き。
日頃この長尺のシンフォニーを聴くのは、いかにも気合いが必要だし、どっこしょと立ち上がるきっかけも必要とするけれども、年末だったらなんとなく聴けてしまう、というか。年末に各所で9番を演奏されるのは、日本だけの出来事らしいけれども、そのおかげというか。
で、ワルド・デ・ロス・リオス。
9番をドラムを入れてポップに編曲している。いわばセミ・クラシックということになるのだろうが、いやにマジな感じのオケの響きがするし、メロディを崩すことなく演奏しているあたりが、世の世の多くのセミ・クラシックと少し違う。リズムはロックですけどね。
ワルド・デ・ロス・リオスのことは、ラジオの仕事をご一緒している若山 弦蔵さんに教えていただいた。このベートーヴェンの9番がかつてアメリカのチャートで上昇し、日本でもシングル盤が発売されていたとわかった。なんということだ。
実は、僕はベートーヴェン好きです。
モーツァルトとかドビッシーとか、ほかにもエリック・サティとかショパンなんて言えれば、格好いいのかもしれないけれども。
どんくさくて、ゴリゴリで、濃くて、たまに鬱陶しくて、いかにもくどいベートーヴェン。なんだ、まるでオレじゃないかと思ったりして。
それにしても、やっぱりベートーヴェンが好きだと、9番を聴きながら感じ入る。人の声の力の強さのようなものがみなぎっている。
ワルド・デ・ロス・リオスの9番。
とてもいいです。ぜひ、この季節に、どうぞ。(大江田 信)