Robin Wilson ロビン・ウィルソン / Robin Wilson
そばかすのかわいいロビン・ウィルソン。ニック・デカロ、ドン・コスタ、モート・ガーソンら、当時の西海岸の精鋭音楽家のヘルプを得て、キュートなアルバムを発表したのが1968年のこと。LAの新興勢力、A&Mからのソロ・デビューだった。
彼女の名前がレコードにクレジットされるのは、これが初めてではない。この前年、1967年にリリースされたドン・ホーのライヴ・アルバム「east coast / west coast」では、ショウに共演していた彼女のヴォーカルを聞くことができる。
ロビン・ウィルソンは、ハワイ生まれで、ハワイ育ち。ホテルで歌っているところを見初められ、その後はラス・ヴェガスを始めとする西海岸でのショウに出演したということだ。
彼女のアメリカ進出には、ドン・ホーの支援があったのかもしれない。ちなみに長らくドン・ホーのバック・バンドを努めたアリーズも、60年代の半ば頃にはリプリーズから単独名義のアルバムを活発に発表している。
ロビン・ウィルソンが採り上げた「I’ll Remember You」は、クイ・リーの書いた名曲。エルビス・プレスリーやアンディ・ウィリアムス、コニー・フランシスなども採り上げた作品で、60年代にハワイに生まれた作品としてハワイアンの域を超えて知名度を得た一曲だ。
この曲を書いたクイ・リーとドン・ホーは親友同士。これをロビン・ウィルソンがA&Mレーベルのアルバムで歌う。60年代におけるハワイ音楽の広がり方の好例だ。（大江田 信）
