Joe Harnell ジョー・ハーネル / The Rhythm And The Fire

Hi-Fi-Record2009-02-09

 ジョー・ハーネルは、「フライ・ミー・トー・ザ・ムーン」をボサノバにした人、だ。



 この曲、もともとは女性シンガー、フェリシア・サンダースが出演していたクラブ「ブルー・エンジェル」の司会者、バート・ハワードが1954年に書いて、彼女が始唱した作品。ジョー・ハーネルが60年代初頭に当時の最新流行だったボサノバのリズムにアレンジして演奏したことを機に、あたかもボサノバを代表する一曲であるかのように広まった。今ではもともとからボサノバのリズムで書かれた曲のように思われている。



 「St. Thomas」のボサノバ版なんて聞くと、彼のアドリヴのメロディ・センスの良さにうならされる。クラシックの素養も深いようで、フレーズの端にちょこっと片鱗が顔を出す辺も楽しい。そういえばクラシックの名曲をオーケストラと共演しながら、さらっと遊ぶ「The World's Greatest Love Themes」なんて、いい感じのアルバムもあったっけ。(大江田 信)


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