Johnny Guarnieri ジョニー・ガルニエリ / Superstride

Hi-Fi-Record2009-02-11

 ストライド・ピアノと堂々と名乗っているレコードを、初めて聴いた。
 ストライド・ギターとは、右手でメロディをとりながら、左手がコードのルート音と5度の音を交互に弾く、20世紀初頭のラグタイムなどに見られたピアノ奏法とは聞いていた。
 流れて来た音が、想い描いていたストライド・ピアノそのものだったことがうれしい。



 ギタリスト、ガイ・ヴァン・デューサーのソロ・アルバムに「ストライド・ギター」という作品がある。
 ド、ソ、ド、ソ、と繰り返されるピアノの左手の音色をギターの低音部のベース音に移し替えて、ここにメロディを組み合わせる。結構、というか、相当に難しい。
 そうした奏法をして、ガイ・ヴァン・デューサーは「ストライド・ギター」と称した。ストライド・ピアノをギターにもじった言い方だ。
 彼を含めジョン・ミラーなど、フォーク系のスリー・フィンガー・タイプのプレイヤーは、言ってみれば誰の場合でも、どこかしらストライド・ギター奏法だろう。



 ストライド・ギターを先に聴いていて、ストライド・ピアノを後に聴くのは、歴史の流れとは逆行している。でもそうすることでかえってジャズ・ナンバーをフィンガリング・ギターに置き換えたギタリストたちの気持ちがわかるような気もする。謎が解けたようで、ちょっとうれしい。(大江田信)



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