Lotte Lenya ロッテ・レーニャ / The Seven Deadly Sins

Hi-Fi-Record2009-02-13

実は昨日
アメリカから帰国した。


仕事半分
私用半分だったのだが、
ちょっとレコードも買ってきたので、
新入荷をお楽しみにお待ちください。


帰りの機内で見たのは
何故か「007」シリーズの
ロシアより愛をこめて」。


故・荻昌弘さんが解説を務めていらした
TBS「月曜ロードショー」で
小学生のころから何度か見ている。


でも、おとなになって見たのは
初めてかもしれない。


今回、心底びっくりしたのは、
こども心に印象に残っていた
ロシアから来た顔のこわいおばさんスパイが
ロッテ・レーニャだったことだ!


ロッテ・レーニャは
作曲家クルト・ワイル(現在はヴァイル表記が多い)の未亡人。


ドイツ人作曲家であり、
ヨーロッパ的なほの暗さと
独創的な楽想とを兼ね備えた作風で
高い評価を得ていたワイルは
ナチスの迫害から逃れて妻レーニャとともにアメリカに亡命した。


代表作は
マック・ザ・ナイフ
「セプテンバー・ソング」
「スピーク・ロウ」などなど。


50年にワイルが亡くなってからも
レーニャは公認のワイル楽曲歌手として
レコーディングや舞台などで活動を続けた。


でもまさか、まさかまさか、
「007」でロシア人の悪役やってたとはなあ!


ボンドと腕で張り合うほどの強さはないが
得体のしれない信念みたいなものを感じさせ、
こわばった顔、
おののいた顔に
ほかにはない個性があった。


70年代に
彼女のレコーディングをまとめた2枚組のベスト盤が出ているが
そのジャケットは
リチャード・アヴェドンが撮りおろしている。


いつも見惚れていたそのジャケに
彼女の表情をまた新たに見つけ出した思いだ。


残念ながら、
今、お店には
こんな白塗り顔のイラストしかないんだけど。
中身のこわさは保証!(松永良平


Hi-Fi Record Store