Laurindo Almeida ローリンド・アルメイダ / Latin Guitar
昨日は、大学同期の友人の結婚式だった。
披露宴での僕の席のメッセージ・カードには、
「宴はショッパイ ゼロ年代初頭クラブヒットメドレーでいくので、笑ってください。」と新郎のOくんの言葉が記されていた。
ほのぼのとした気持ちになった。笑うわけないじゃんか。
彼のいう"ゼロ年代初頭クラブヒット"というのは、レア・グルーヴやフレンチ・ポップだったり、サバービアにフリーソウル、彼がレコードを熱心に蒐集していた頃のクラブ・ヒット曲。それこそエヴァー・グリーン、色褪せない名曲のこと。
式で流れた曲でいうと、フェアグランド・アトラクションの「Perfect」やフランク・カニモンド・トリオがリン・マリノをフィーチャーした「Love So Fine」のカヴァーとか。
Oくんと新婦のHさんは僕と同じゼミで、N先生のもと勉強した。
喜怒哀楽の感情に従順にして、アツい熱弁をふるわれたN先生。披露宴ではモーツァルトの音楽を引き合いに、夫婦生活を円満に美しく生きることについて語られていた(さすがK大仏文のご出身であります)。
結構な量のお酒を飲んで酩酊状態だったので、あまり覚えてないけれど「モーツァルトは、動乱や戦争に巻き込まれることなく、音楽という芸術に人生を捧げている。彼のつくった音楽には深い悲しみや怒り、激情、そういったものがない。ただただ軽やかで美しい。モーツァルトの音楽のような家庭を築いて下さい。」というような、有り難いお話。
時代の求める作品を、圧倒的なスピードで書き上げ、人々を熱狂させた職業作曲家のモーツァルト。新郎新婦二人の職業は、時代の求める作家や作品をディレクションするキュレーター。
Laurindo Almeida ローリンド・アルメイダ / Latin Guitar
本作に収録しているモーツァルトの曲をボッサ化した「Mozart In Samba Motion」。サンバ・カーニヴァルの喜々としたリズムを使用し、インティメイトながら多幸感の増したこのヴァージョンを二人に捧げます。
どうぞ末永くお幸せに。
(藤瀬俊)