The Cowsills カウシルズ / The Cowsills
昨日のGPS話の続き。
もっぱら助手席に座って、彼女(声が女性のものだから、ぼくらは彼女と呼ぶ)とつきあっているのは松永君。なんだ!このディレクションはいったい!とGPSの言うことに突然怒りだしたり、やっぱりキミは頭がいい!と褒めたりと、気分によって付き合いにも波がある。松永君が担うナビゲーター役というのは、責任もあるし、心労もかさむもの。よくも悪くも、GPSが彼の良い友達となっているに違いない。
昼飯時になった。ふと「Yoshinoyaに行きましょう」と、松永君が言う。
日本語で書くと吉野家。誰でも知っている牛丼チェーンだ。アメリカ西海岸にはこれがまとまって100軒近くあり、立派なローカル・チェーンとなっている。
その昔だったら、電話帳を広げては住所をメモして、地図を広げて場所を確認してせっせと出向くという段取りだったのだが、今ではGPSを使えば最も近いYoshinoyaを教えてくれる。
そこはそれ、アメリカだ。近いと言っても、車で約20分。高速に乗り降りして、やっとたどり着く。
Yoshinoayaと吉野家では、牛肉の量も違えば味も違う。アメリカ版の方が、数倍の肉が入っている。もちろん店内の雰囲気も違う。今回、食べた店ではメキシコ系の人たちが多いようだ。
ただし「牛丼」の代金は、日本とほぼ同じ。
「日本じゃ行かないですけど、アメリカじゃあ特別ですからねえ」と松永君が言う。
確かに特別だ。この感じ、申し訳ないけれども、行った者にしか解らないかもしれない。
ということで牛も知ってるカウシルズ。
ついでに知っている人しか知らないネタをひとつ。フジテレビ土曜午後に放送されていた番組「ビート・ポップス」の司会をしていた大橋巨泉が、とある日の曲振りの際にこのフレーズを使った。テレビの前に座って見ていたぼくは、一瞬、何のことかわからず口をポカンとあけた。中学生だった。(大江田 信)