Van Dyke Parks ヴァン・ダイク・パークス / Discover America
優秀なアメリカの大学ほど、アメリカ人の学生よりも、諸外国からの学生がいっぱい。なんて最近のニュースを目にすると、実感を持ってそうなんだろうなあと思う。
アメリカが、ひとつの場所となっていく。そんなうねりがあるのだろう。
1960年代に「アメリカを探しに旅に出た」と歌ったのは、ポール・サイモンだった。
ヒッチハイクをしながらアメリカ深南部に向かう。
アメリカを探しに、内なるアメリカを目指す。
そうして旅をした若者たちの歌が、いくつも残されている。
アメリカでは、アメリカ探しがいつの時代もどこかしらテーマになっている気がする。
で、ヴァン・ダイク・パークスの「ディスカバー・アメリカ」。
このアルバム、ぼくには未だによくわからない謎の一つ。
流れ出る音楽の気分は、カリプソだ。それがディスカバー・アメリカなの?と、どこかでいぶかしく思ってしまうのは、60年代的な内なるアメリカ探しへの共感が、ぼくの中に濃厚に残っているからなのだろうか。
ぼんやりとサウンドに身を任せる。
今日のように、急に暖かくなった午後の気分にはピッタリ。
外から吹いてくる風に身を任せて、アメリカを眺めて見るということ。それが、このアルバムのテーマなのかもしれないと、ふと思った。(大江田信)