黒船レディと銀星楽団 / 黒船レディと銀星楽団
久しぶりCDトレイに載せて聞いていたら、「そよ風の誘惑」が流れてきて、ほんのりと春めいた気分になった。
オリヴィア・ニュートンジョンのこの曲は、春の定番のひとつ。ああ、春がそこまで来ているなあという時期になるとラジオから流れて来る。かげろうの揺らめきのような気分を誘うシャドウズの「春がいっぱい」よりは少し前。朝夕にはちょっと寒さが残っているけれども、お昼はグンと暖かくて、思わずセーターを脱いでしまいたくなる。そんな時期にピッタリだ。
それもこれも邦題の勝利。原曲には、春と言う言葉も、そよかぜという言葉も無い。
あなたの手を取る誰かが必要なのよと、もう少しスローダウンしてねと、生き急いでいる恋人に声をかけている。
ほんのりとした気分を運んで来る「黒船レディと銀星楽団」ヴァージョンの「そよ風の誘惑」。リードヴォーカルを取る水林さんの可憐な声と、のびやかなメロディが、気持ちのいい春風を呼び寄せている。(大江田信)