The Sugar Shoppe シュガー・ショップ / The Sugar Shoppe

Hi-Fi-Record2009-03-25

 このレコードは、たぶん高校生くらいの時に買った。
 中古レコードの試聴等とんでもない、ジャケ買いをするしかないと思い込んでいたころ、狙い澄まして買った1枚だ。プロデューサーとか、スタジオとか、レーベルとか、そんなことはなんにも知らないし、わからない。ホントーにホントーのジャケ買い
 フロント・カバーもいいけれども、バック・カバーに使われているモノクロ・スナップがとてもよかった。とくにブロンド女性のタートル・ネック風のセーターが素敵。
 それだけの理由だ。"当たり"がうれしかった。

 

 なのでソフトロックのブーム期に、このシュガー・ショップもまた再発見された一気として人気が高まった時には、いささか狐につままれた気分にもなった。自分の中でそれなりに培って来たシュガー・ショップへの愛情とか評価の気持ちがある分だけ、一気呵成にどこからか舞い降りて来たような賛辞に乗り切れない気持ちになった。変に少し知っているから、取り残されたのだ。



 彼らには、このアルバムの後にEpicからリリースされたシングル・オンリー曲が有る、とハイファイのデータベースに残っている。「Save The Country / Easy To Be Hard」というカプリング。この「Save The Country」が、また可愛いかった。そしてこのシングルは、彼らが自ら制作する自由を得ていると感じさせる内容だったと、記憶している。
 このあとの彼らの消息を、僕は知らない。

 

 その後、エドサリヴァン・ショーで「Poor Papa」を歌っている彼らを見た。
 やっぱり僕は彼らのことが好きだったんだなと、ひとりで納得した。可愛かったのだ。
 「可愛い」というのは、思いのほか記憶に残る感情なのかもしれない、と思う。(大江田 信)
 
 

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