Little Peggy March リトル・ペギー・マーチ / I Will Follow Him

Hi-Fi-Record2009-04-02

渋谷の街で見かける桜の木も
そろそろ満開というところか。


今日は朝から風が強かったが、
そろそろそれも落ち着くようで
(午後9時追記:まだ寒いです!)
いよいよ今週末こそ
いざ、お花見!
そんな決意をされている方も多かろう。


15歳のリトル・ペギー・マーチが
囲まれているピンク色の花は
アメリカ桜のようにも見えるが
違うかもしれない。


男手ばかりのハイファイに
花に詳しい人間はおりません。


それはそうと、
このアルバムのB面一曲目に
「アイ・ウィッシュ・アイ・ワー・ア・プリンセス」という
英語の仮定法の授業に出てきそうなタイトルの曲がある。


大ヒットした「アイ・ウィル・フォロー・ヒム」に
続いてリリースされたシングル。
かわいらしい名曲だが、
ぼくは彼女のヴァージョンではなく
サラ・ヒックマンという
ちょっと変わった女性シンガー・ソングライターの歌で
初めて聴いた。


確か80年代の末、
大学のそばにあったロックのアナログをかける喫茶店
教えてもらった。


顔をユーモラスにアップで描いたイラストのジャケで
アナログ盤だった。


お店のママさんは
「こんな曲やってるなんて、うれしいじゃない」と
言っていた。


マイナーなシンガーらしく
都内の輸入盤店で探してもなかなか見つからない。


それからしばらくして
京都に遊びに行ったとき、
あるお店のカウンターの奥に
そのレコードが堂々と飾ってあるのを発見しておどろいた。


それを売ってほしいんですが、とおそるおそる訊ねたら、
「これは売り物じゃないんです」と
申し訳なさそうに断られた。


しかし
店主はマイナーな彼女のレコードのことを
訊かれたことを珍しく思ったようで、
「このレコードはブレイヴ・コンボ
 カール・フィンチがプロデュースしてるんですよ」と
謎解きをしてくれた。


大好きなブレイヴ・コンボと絡んでいることが
この店でサラ・ヒックマンが飾られている理由なのだった。


納得した上で
この店のことがすごく好きになった。


一枚のレコードが
まったく違う理由で
ふたつの場所で誇り高く掲げられていた。


もうその店は両方ともなくなってしまったけれど、
リトル・ペギー・マーチのこの曲を聴くと、
連鎖的にどうしても思い出してしまう。(松永良平


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