Frank Zappa フランク・ザッパ / Lumpy Gravy

Hi-Fi-Record2009-04-07

ちょっとザッパの話をしよう。


明日、ザッパの息子が父の音楽を再現する
ザッパ・プレイズ・ザッパを見に行く。


だからというわけでもないのだが、
今日はこのザッパ史上に名高い問題作というか
ロック界には早すぎたコラージュ・アルバムをお店に出してみた。


高校のころ
熊本市内のレコード屋
ぼくは生まれて初めてザッパに手を出した。


そのころ
ザッパのレコードは大変高価なものだったのだが、
オリジナルLPをコピーした
再発という体裁をしたブートレッグが
安価で出回っていたのだ。


そのうちの一枚が
このキテレツきわまるアルバムだった。


それでも、せっかく買ったのだからと
うんうんうなされながら聴いているうちに
ザッパが合間合間にぶちこんだサウンド・コラージュが
水泳でいうところの息継ぎのように
気持ちよく感じられてきた。


スイマーズ・ハイにも似た気分で
ぼくはこのアルバムを結構な回数聴いたのだ。


音楽を自分に取り込むことは
文化ではなくて
実は体育かもしれない。


さて、
今、この2009年から考えてみれば
このアルバムは
マーシャル・マクルーハン(ジョン・サイモン)の
「メディア・イズ・ザ・マッサージ」と
ほぼ同じ時代に生まれたカットアップ&コラージュ作品なのだった。


何だ、
あのアルバムの隣に並べてみればいいんだ。


問題作どころか
ザッパの全カタログ中、今一番モダンに思えてきた。


最後に流れるギターインストを聴くと
高校時代から20年以上経った今でも
ぼくは不思議なしあわせに襲われる。(松永良平


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