Leo Acosta y su Orquesta レオ・アコスタ / Mr. Ritmo

Hi-Fi-Record2009-04-12

バド・シャンクのWorld Pacificレーベルから出ている数枚の中の一枚と思わせるジャケだから、
美女ジャケ・ハンターは「おっ、洒落たボッサ・アルバム?」と、手に取ってしまうかもしれません。
本作はCapitolメキシコ支社傘下の"Discos Torre"レーベルからリリースされた。メキシカンのコンダクター、レオ・アコスタのブーガルー・アルバム。


堂々と「Boogaloo」と謳う割に、流れてくるのはマリアッチでお調子のもの的陽気ななトラックばかり。
しかしながら、暑苦しいシャウトと鳥の泣き真似(なんで?)がとてもソウルフルでワイルド! 
1曲目「Mr. Ritmo」から、「HA! HA!」の笑い声に「ダメダメダメダメ(空耳応募可能かも)、Mr. Ritmo」のサビ。やってくれます。魅せてくれます。
ほぼ全曲自作のブーガルー・アルバム! ノリノリ過ぎて誰も彼に「"ブーガルー"ってのは…」と、説明しなかったのでしょう。


A-6はその名も「Marimba Boogaloo」! 後期うる星やつら(アニメ)のエンディング・テーマ「星空サイクリング」(ヴァージンVS)を思わせる、せわしなく叩かれるマリンバがキュートなチャ・チャ・ナンバー。いや、ブーガルー・ナンバー。


そして、ジョー・バターンを筆頭にNYラテン・シーンの"マフィア"な連中も「おっ!?」、と思うに違いないB-2「La Mecedora Senora」! イントロから数秒間のルーディでジャジーな雰囲気に、これぞブーガルー! と思うも、相変わらずの生気の抜ける鳥の泣き真似にズッコケる、コントみたいなナイス・チューン。


ところでA-2には「Boogaloo No.8」という曲を収録しているけど、これってやっぱり、ペレス・プラードの「Mambo No.5」なんかからなのかな? なんとなくな推測でしたが、本アルバムの裏ジャケに掲載された、「Boogaloo No.1」というアルバムをレオ・アコスタは残していて、曲目を調べてみると「Boogaloo No.1」「Boogaloo No.2」「Boogaloo No.3」「Boogaloo No.4」「Boogaloo No.5」とあった。もしや、「6」「7」は欠番!? なんてことも考えた…、けど、まぁ、どうでもいい。
レオ・アコスタは意外とキチンとした人なのかもしれません。


Boogalooついでに思い出したのが「Boogaloo Combo」というブラジルのジャズ・コンボ。一昨年くらいにリイシューされたのでご存じの方も多いかと思うけれど、ニューヨリカン・ソウル、ラテン・ファンクのレア盤「Bwana」。Boogaloo Comboと、このBwana、同じイラスト・ジャケットで文字が入れ替わってる盤がある。昔「やった、見つけた!」と間違えて買った。Boogaloo Comboが欲しかったのに。Bwanaもいいのですけどね。
同じジャケット使い回しちゃイカン!(涙)
レオ・アコスタさんはキチンとした人ですから、そんなことしません。同じような曲にも、ちゃんと番号をふってくれます。
「Boogaloo No. 100」まで聴いてみたい! 


(藤瀬俊)


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