Red Allen And The Frank Wakefield And Kentuckians / Bluegrass

Hi-Fi-Record2009-04-16

 フランク・ウェイクフィールドは、60年代に登場した新世代マンドリン・プレイヤー。伝統的な奏法にのっとりつつも、若々しいセンスの演奏力を持って登場したブルーグラス界のスター・プレイヤーのひとりだ。
 同じ時期にユニークなフレージングをもたらす奏法のバンジョー・プレイヤーとして登場したビル・キースを交え、ケンタッキー・ブルーグラスの雄、レッド・アレンの元でセッションしたアルバムがこれ。


 このアルバムを、高校時代に初めて聞いた。発売元のレーベル、Folkwaysが好きだったこと、ビル・キースが好きだったことが直接の動機だったのだが、こに収録された「New Campton Races」の楽しさにイチコロになった。「新・草競馬」とでも訳せば良いのだろうか。作者がフランク・ウェイクフィールドだった。リズミカルなテンポのいい演奏、そしてあまりブルーグラスでは用いられることのないマイナー・コードが盛り込まれたコード進行が楽しい。で、さっそくコピーをしたことを覚えている。



 その演奏がこのほどリリースした林亭「風は歌う」におけるディスクユニオン特典に納められた。
 アルバム「夜だから」を作る前、高校生時代の演奏になる。あれまぁ、何て巧いのだろうと演奏した本人たちが久しぶりに聞いて思ったのだから何をか言わんやなのだが、40年近く時が経つとはそういうことなのだろう。
 念のために申し添えるとマンドリンを弾いているのは、佐久間順平。ご本人の佐久間は、「お前だろう」と大江田演奏説を唱えたが、これは断じて違います。この曲を好きでしょうがなかったぼくが、佐久間にマンドリンを弾いててもらった。その判断の根拠とは、今となれば僕だけがわかるのかな。(大江田信)



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