Les Paul And Mary Ford / Hits Of Les And Mary
今日もまた「林亭」がらみのお話をひとつ。
「風は歌う」に「世界は日の出を待っている」を収録した。
一つの曲で二つの歌詞が合流するようなものが作れないものかと僕が発案して、佐久間クンがこれをさらった実現したのだが、元はと言えば、かつて彼を含めて高田渡、キヨシ小林らがヒルトップ・ストリングス・バンドの名の下に活動していた際のレパートリーの一曲に「世界は日の出を待っている」があった。
「リンゴの木の下でドミニクは世界の日の出を待っている」という人を喰ったようなタイトルのメドレー演奏が、彼らのエンディングの定番。ここで佐久間クンは「世界は日の出を待っている」を演奏していた、というわけだ。
主役は、キヨシ小林が演奏するテナー・バンジョーで、それを追いかけるように佐久間クンのマンドリンが活躍する。
彼曰く、テナー・バンジョーのチューニングはマンドリンと同じだから、キヨシ小林の手元を見ているうちに自然とマンドリンでも弾けるようになったという。う〜む、なるほど。
ということで直接は高田渡さんへのつながりを表明している曲ではないのだが、林亭の二人は心の隅のどこかでヒルトップ・ストリングス・バンドを継承しつつ、高田渡さんへの思いを持ってこの曲を演奏している、のかもしれない。
なおレコーディングの際に許諾が降りず、佐久間クンが書いた歌詞は使えなかったので、CDではラララと口ずさみながらハモっている。歌詞付きは、ライヴでお聞きいただけます。
で、「「世界は日の出を待っている」といえば、やっぱりこの人たち。ジョージ・ルイスのオハイオ・ユニオンでの演奏も好きですが、やはりこの演奏にとどめを刺します。(大江田 信)