Peter, Paul And Mary ピーター、ポール&マリー / In Concert

Hi-Fi-Record2009-05-09

 一昨々日に書いたブログを読んで、反応してくれたお客様がいた。
 「気になって、気になって」と言いながら、リカルド・サントス楽団のアルバム「Holiday In Japan」を試聴された。

 
 「日本」企画もの。
 英米仏などで録音された「日本」向け企画は、日本の音楽マーケットの伸張を踏まえた作品だった。日本側のレコード会社から送られた候補音源などを素材に、レコーディングを進行してゆく。そこには様々な"現場"が会ったに違いない。



 そうした一つの例が、日本語で歌ったフランス・ギャルの「夢見るシャンソン人形」。
 当時の日本側ディレクターは、本城和治さんだ。松永クンの著書、「20世紀グレーテスト・ヒッツ」の際にインタービューをさせていただいた方だ。
 レコーディングの際に、フランスまで出向かれたのかどうか、本城さんに伺ったことがある。お答えは、ノーだった。日本側から歌詞を送り、現場には在仏の日本人の方に立ち会ってもらって、歌入れを進行したのだという。



 一昨日のブログに記した今回の旅先での目的は、実を言うとそうした「日本」企画ものではなくて、日本で録音されたライヴ・アルバム。日本公演時に、コンサートの模様が録音されたものを探した。つまり日本盤しかリリースされていないアルバムだ。



 それというのも、60年代から70年代にかけて制作されライヴ・アルバムの多くは契約書も残っていない状態の作品がほとんどで、CD化再発売の可能性がほとんど無いという事実を知ったからだ。
 いつの日か、ライヴ・イン・ジャパンCDシリーズなんて、編成してみたいという気持ちもある。
 それにしてもオリジナル・アルバムには書かれていなかったパーソネルが、日本ライヴ盤には書いてあって、パーシー・フェイス・オーケストラのドラマーがアール・パーマーだったことを知った、なんて楽しい経験もある。



 P,P&Mには、ライヴ・イン・ジャパンのアルバムがあるが、本国アメリカでは、それは長い間ブートレッグに準じる扱いだった。最近になってきちんと認識されるようになったが、それにしても今でもまだ一部音源しか、CD化されていない。こんなケースもある。



 こちらはアメリカでリリースされた1964年のライヴ。彼らの人気絶頂期のコンサートの模様をドキュメントした素晴らしいアルバムだ。先日、NHK BSで、このアルバムの音源となったコンサートの模様が放映され、こんな映像があったのかと目を丸くして眺めた。
 ハイファイが扱う際には、ちょっとした由緒付きの盤になる。これはモノ・プレス。1964年となると、もはやステレオが主流の時代。ステレオ盤よりも、モノ盤の方が珍しい。モノ盤では音そのものの他、ジャケット細部のデザインが、ステレオ盤とは違う。そんな重箱の隅が、ファンには楽しい。(大江田 信)


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