Ray Gooliak / Home Away From Home
アメリカのモーテルに泊まる時のこと、ああ、やっとモーテルに着いたとほっとして、ふとベットが目に入る度にフシギに思うことがあった。ベットカバーの足下のところに、帯のように、腹巻きのようにして掛けられている布地を見ては、これはなぜ、どうして掛けられているのだろうと思うのだ。ベット・カバーと生地が揃えられていたりして、気が使われている。そのココロがわからなかった。
掛けられたまま寝るのだろうと思っても、夜中にあばれるのか、朝起きてみるとベットからずり落ちている。足下が重たい気がして、いやなのだろう。なんとなくベットの上に放り上げたままにして出かけ、夜になて帰って来てみると、メイドさんによってまた帯が腹巻きされている。不思議だ。
これは家の中を靴履きで歩くことが当たり前のアメリカでの家庭生活で、靴を履いたままベットにひっくり返っても、ベットを汚さないために用意されているのだ、ということをつい最近になって知った。モーテルに付くと、まず靴を脱ぐボクには、想像もつかなかった。そうだったのか。窮屈な思いをして、足下が重たいことを苦にしながら、後生大事にベットカバーの上に乗せておかなくてもよかったのか。
そういえば、このアルバム・カバーのレイ・グーリアックは、クツを履いていない。裸足にサンダル履き。
長いハワイ生活で、裸足に慣れちゃったから? そういえばハワイでは、裸足で街を歩くロコの人を、けっこう見かけた。(大江田 信)